「血の滲む思い」

先日テレビで、

「血の滲むような思いで・・・」

というナレーションを耳にして、またあのことを思い出してしまいました。
今から二十数年前。小学校での出来事です。

家庭科の授業があったその日、朝から教室のテンションは少々高めでした。
なぜなら、その日は人生初めての調理実習だったから。

家庭科よりも早い時間割の授業は、みな揃って落ち着きが無く、
休み時間は通常の3割増しのテンションで元気に遊び、
そして、ついに家庭科室へ。

実習の献立全部は思い出せませんが、唯一覚えているのは、
「お豆腐の入ったお味噌汁を作った」、ということです。

材料を切る段になり、先生が、

「お豆腐は、サイの目に切りまーす♪」

と言った瞬間、同じ班だったゆうこちゃんが、

「私が切りた〜い!!」

と、すばらしく力強い挙手。
みんな「自分もやりたいな」という顔をしながらも、
ゆうこちゃんの元気な立候補ぶりに圧倒され、

「このお豆腐には、ゆうこちゃんのやる気が一番ふさわしい」

という結論に達しました。

先生は、まな板の上でお豆腐を切るように言ったのですが、
ゆうこちゃんはその白いお豆腐を手のひらに乗せ、

「お母さんはこう切っているよ」

と、包丁を持ちました。
オトナな行動に一同が「おおおお!」とどよめく中、
やわらかなお豆腐へ次々と包丁の刃が入ったのですが、
次の瞬間、あれ?ゆうこちゃん?

ゆうこちゃん、涙。
どうしたの、ゆうこちゃん。
ゆうこちゃん???

お豆腐を見て、みんなの眼圧が5割増しになりました。
なんと、ゆうこちゃんは包丁の刃を微妙に「引いて」いたので、
さいの目に切れたお豆腐に血がにじんでいたのです。
その白&赤の衝撃のコントラストは、誰の脳裏にも
しっかりと焼き付いたのでした。

血の滲むような・・・という言葉を的確に「見た」のは、
あれが最初で最後かも!?

a0103434_104272.jpg
[PR]
by cherry_icecream | 2008-12-18 10:48 | イラスト


<< 「師走のできごと」 「なぜまたこの日に。」 >>