「残念ながら」

気づかぬうちに、お気に入りのものが製造中止、廃番になってしまった!
・・・ということを知った時って、本当にふいうちで困ってしまいます。

決定的なショック・・・!・・・とまでは行かなくても、
「気に入っていた、あの色だけが廃番に」とか、
「この部分が好きだったのに、何故かこの部分だけマイナーチェンジ」とか。
先日も、グリップ部分が好きで使っていた筆記具が、
そこだけ改良(私にとっては改悪)されていたのでした。

・・・いやがらせ?
私、何か悪いことしちゃったのかしら・・・

こんな時、おとなしく唸ることしか出来ない場合がほとんどですが、
昔、一度だけ直談判できたことがあります。

実家の近所のパンやさんに、大のお気に入りパンがありました。
そのパン(デニッシュ)は、店内で他に売られているパンとは雰囲気が違って、
明らかにひとつだけ突出した甘さを見せつけていたのですが、
不思議とその突き抜けた糖度に眉をひそめることなく、
「いいね〜♪」と思える美味しさがあったのです。
アーモンドクリームとクルミがズッシリとした食べ応えのそのデニッシュ、
もちろんお店にいくごとに買っていたのですが。

ある日、無かった。
次に行っても、無かった。
ドキドキしながら、その次に行った時、棚に無いのを見て私は店員さんに、
「あれはどうしちゃったのでしょう」と聞いたのでした。

アルバイトと思われるかわいらしい女の子が申し訳なさそうに言うことには、
「あのパン、もう焼いていないんです・・・」

「ええっ!そうなんですか!あんなに美味しかったのにショック・・・」

そう答えた私の顔が、相当ショックな顔だったのか、
その女の子は、奥にひっこんだかと思うと、
長いエプロンを掛けて、腕まくりをしたおじさんを連れて出てきました。

初めて見る店主の姿。
この人がパンをつくっているんだ・・・としみじみ思っていると、
女の子が、その店主を紹介するように手を向けて私にひと言、

「どうぞ」

と言ったのです。
どうぞ・・・とは、「どうぞ、意見を直接。」という意味だったようで、
急遽、店主と向き合った私は、迷うこと無く訴えました。
なぜ、あのパンを焼かなくなってしまったのですか?

「・・・僕もねえ、あれ、大好きなんですよ。
だからずっと焼いてたんですけれど、
甘過ぎるからなのかなあ、あんまり売れなくってね。
でも、だからって甘さを控えればっていうのとも違ってね、あれは・・・
もう焼けなくてごめんなさいね、どうもありがとう。」

本当に申し訳なさそうな顔。つらそうな顔。
そうか・・・バッサリと世の都合だけじゃない。
お店の人にも葛藤があったんだなあ。

以来、ガッカリな「改良」「廃番」に出会った時には、
いかんともしがたい理由があったんだわ、
と、一生懸命思い込むことにしています。
・・・悲しいけれど。

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by cherry_icecream | 2009-01-31 21:59 | イラスト


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